2025年8月18日
天を祭る祭儀の名「類」

似た者同士が自然に集まることを「類は友を呼ぶ」と言いますが、今回は「類」を見ていきましょう。「類」の本来の字は「類」で、「米」「犬」「頁」から成る会意文字です(古書体の小篆参照)。「米」と「犬」は祭壇に供えるもので、犬はいけにえ。「頁」は儀式用の衣服や冠をつけた人が礼装して拝むことを意味しています。これを「類」と称し、天を祭る祭儀の名となりました。現代のわれわれが書く「類」は、「犬」の部分が「大」と表記されています。「大」は人が手足を広げて立つ姿の正面の形を表しています。「類」は「似る」「類い」の意味で使われるようになりました。祭りの意味を残す字としては、祭卓を象った「示」を加えた「禷」が作られました。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
書・眞田朱燕
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