「残」が持つ本来の意味は...

20210611_kanji_01.png  6月も(なか)ば。今年もそろそろ(のこ)り半年、その前に東京オリンピック・パラリンピックという大きなイベントまで残り日数もわずかになってきました。そこで今回は「(ざん)」について考えてみます。
 残には、(そこ)なう、むごい、のこる...などの意味があります。(てん)書体では、「20210611_kanji_03.png」と書きます。
 意味の「20210611_kanji_04.png」と、(おん)の「20210611_kanji_05.png」を組み合わせた文字です。「20210611_kanji_06.png」は死の意味を持ち、「 20210611_kanji_07.png」の音は「(ざん)」に通じ、(おの)(まさかり)で切ることをいいます。
 中国の古い書物「論語(ろんご)」に「残に勝ち (さつ)を去る」とあります。暴力(ぼうりょく)(残)を制して殺(ばつ)なこと(死(けい))をなくすことができる―としています。
 もともとは「残る」という意味はなかったのです。残るは、本来「20210611_kanji_08.png」で、肉の食い残しのことで、この文字を()りてきて「のこる」「あまる」の意味として使われるようになりました。残(こく)や残(にん)といった言葉を思い浮かべると、残の本来のイメージもつかめるのではないでしょうか。
  (産経国際書会副理事長 高橋照弘)

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