ゆたかで立派な「太」のルーツは...

20210725_kanji01.png  金、(もも)(おに)―そして浦島(うらしま)と来れば、それに(つづ)くのは「太郎」。おとぎ話、アニメの主人公でおなじみだけど、その「太」について考えるね。「大」と似てるけど、実は「泰(たい)」を簡単(かんたん)にした字なんだ。金文を見ると、手足を広げた人を正面から見た形の「大」と、左右の手を(なら)べた「(しゅう)」と「水」の組み合わせだ。
 「太」の下の点が泰の水の省略(しょうりゃく)形。水に落ちた人を両手で(すく)い上げる形で(やすらか)という意味なんだよ。
 古くは「太」「大」は区別されず、「大」と同じ(ゆたか、おおきい、はなはだ)の意味で太鼓(たいこ)、丸太の様に使われていた。
 太(きょく)(宇宙(うちゅう)の根(げん))、太古(大昔)、太子(世()ぎ)、太陽などには「太」を用いるよ。今はたっぷりゆとりある(ふとい)意味に分けられ、(肉太、太っ(ぱら)) などのように使う。(ちな)みに太郎は人以外にも付けて、立派(りっぱ)な様子を表すこともある。「坂東太郎」は利根川の別名だよ。アッ! ピコ太郎を(わす)れてた!
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

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