正反対の2つの意味を持つ...「謝」

20200213_kanji_01.png  「(しゃ)」の意味を広辞苑(こうじえん)調(しら)べると、「わびる、あやまる」「ことわる」「(れい)を言う」「(わか)()る」などとあります。
 「謝」は、「(げん)」と「(しゃ)」に分解(ぶんかい)されます。(こころ)(こえ)(くち)から()す意味を(あらわ)す「言」と、弓矢(ゆみや)(はな)(さい)(はっ)する音「射」を()わせてできた文字(もじ)ですが、(へん)の「言」は、(のち)に「ことば」としての意味が(うしな)われ、「射」音が表す「(きょ)」(さる=()が放たれ去った状態(じょうたい))の意味が(のこ)りました。つまり、(おく)(もの)をされたときに「辞退(じたい)する」(ことわる)というのが本来(ほんらい)の意味でした。現在(げんざい)では、「お礼をする」意味で使われ、「(かん)謝」「謝礼」などと使います。「謝」は(まった)反対(はんたい)の意味を合わせ()つ、ちょっと不思議(ふしぎ)な文字なのです。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)

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