2025年8月11日

獣の手足の部分「番」

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 順番を表す「番」は、釆と田から成り立っています。「番」の由来には諸説ありますが、一説によれば古代文字の金文で、上部の「釆」は獣の指と爪を示し、下部の「田」は獣の(てのひら)を表しています。
 上下を合わせると、獣掌(じゅうしょう)(爪など獣の手足の部分)全体を形づくっている象形文字となります。すなわち「番」とは獣の足のことでした。
 軽快に動く獣が一歩一歩踏み出す様子から、代わる代わるの意となり、「順次」「交番」などと使われるようになりました。さらに「番」に足偏を加えた「(はん)」が作られ、「蹯掌(はんしょう)」は獣の足の裏を示します。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

書・眞田朱燕