2022年7月10日

みにくい心、心苦しいから転じた言葉「悪」

20220708_kanji01.png  今回は「悪」についてお話しします。「悪」はわるい、にくむ、みにくい、などの意味があり、篆書体では「20220708_kanji03.png」と書きます。「() (20220708_kanji04.png)」と「心 (20220708_kanji05.png)」が組み合わさってできており、「亜」は説文解字(せつもんかいじ)(最古の字書(じしょ))では「背中がまるくとび出ている小さな人」とあります。その「亜」に「心」をつけて、みにくい心、心苦しいとなり、そこから転じて、わるい、にくい、となりました。
 最近SNSでしきりに人の悪口を言っているのを見かけます。孔子(こうし)は自分がされて不快に思うことは人にしてはいけないと説き、論語(ろんご)でそれは「(じょ)」、おもいやりだと言っています。
(産経国際書会理事長代行 髙橋照弘)

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