2022年7月 3日

「具」の成り立ちは両手で青銅製の器を捧げている様子?

20220630_kanji01.png  「抽象(ちゅうしょう)的で分かりにくい、もっと具体(ぐたい)的に話しなさい!」と指導されたことはありますか? 私は会社員時代によく上司に言われていました。今回はこの具体的の「具」について見ていきます。
 漢字を分解すると「貝+廾(きょう)」になります。「廾」は右と左の手を合わせた様子です。一方「貝」は(かなえ)という肉や魚・穀物(こくもつ)を煮たり炊いたりする青銅(せいどう)製の器を表しています。鼎は祖先(そせん)や神様を(まつ)る際に供え物として生贄(いけにえ)の肉を煮るために使われるようになり、両手で鼎を(ささ)げている様子から「そなえる」という意味で使われるようになりました。のちに転じて、広く「器具全般」の意味も含まれました。
 このような成り立ちを踏まえると、物事を伝える際には、分かりやすく、「具体的」に伝えようと心掛けたいものです。
(産経国際書会専管理事 鈴木暁昇)

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