2020年4月19日

『数』の成り立ちには複数の説がある?

20200417_kanji_01.png  算数(さんすう)授業(じゅぎょう)()きでしたか? 今回(こんかい)はこの「数」の()()ちをみていきます。
 数の旧字体(きゅうじたい)は「數」です。「數」を(へん)(つくいr)分解(ぶんかい)すると「(ろう)」と「(ぼく)(攴)=ぼく」になります。
 「婁」は女性(じょせい)(かみ)(たか)()()げた(かたち)(あらわ)します。その「婁」に動作(どうさ)意味(いみ)する「攵(攴)」を(くわ)えることで、「高く結い上げた髪が(みだ)れる様」を表し、「その髪を(かぞ)えることがむずかしい」ことから「((ほん))数」の意味が(ふく)まれたとされています。
 また一説(いっせつ)には、「縷」が「ずるずると(つら)なる(ひも)」、「樓」が「幾重(いくえ)にも(うえ)へと連なった(いえ)」を表すように、「婁」は「じゅずつなぎ」の意味が含まれており、そこに動詞(どうし)を表す「攴」を()けることで、「一連(いちれん)順序(じゅんじょ)につないで数えること」や「一連に順序(ただ)しく並んだ数」を表すようになったともされています。
 このように数の成り立ちには(ふく)数の(せつ)があるようです。
(産経国際書会理事、鈴木暁昇)

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