2020年4月26日

『教』は、先生が生徒に教える姿を表した漢字

20200423_kanji_01.png  「(おし)えること」は「(まな)ぶこと」よりも(むずか)しいと(かん)じる(かた)もいるでしょう。今回(こんかい)はこの「教」の()()ちをみていきます。
 教の旧字体(きゅうじたい)は「敎」です。「敎」を分解(ぶんかい)すると、「爻(こう)」+「子(し)」+「攴(ぼく)」です。「爻」は「(まじ)わる」、「子」は「両手(りょうて)」、「攵(攴)=ぼくづくり」は「動作(どうさ)」を(あらわ)し、「先生(せんせい)生徒(せいと)と交わること」、つまり、「先生が生徒に教える」という意味(いみ)()まれたとされております。また一説(いっせつ)には、「爻」は「神聖(しんせい)なる建物(たてもの)」を表し、そこに「子弟(してい)(あつ)めて教育(きょういく)(おこな)った」ことから、「教える」という意味が生まれたとされています。
 このような成り立ちを()ると、先生(師匠(ししょう))から生徒(()子)に(もの)(かんが)え方や技術(ぎじゅつ)などを「教えていくこと」、「(つた)えていくこと」は、古来(こらい)より脈々(みゃくみゃく)()()がれてきた大切(たいせつ)なことと感じます。
(産経国際書会理事、鈴木暁昇)

20200423_kanji_02_2.png