大きく、ひろく広める...「博」

　「～♪ヒロシです...」ってかなり古(ふる)い⁉　人(ひと)の名前(なまえ)でよくみかける「博(はく)」の字(じ)。右上(みぎうえ)に点(てん)はあったかな、と迷(まよ)った人もいるのでは？じっくり調(しら)べてみよう。
　「博」の右側(がわ)は、「甫(ほ)」と「寸(すん)」を合(あ)わせた「尃(ふ)」が元(もと)で、「専(せん)」に一見(いっけん)似(に)ているけれど、縦画(たてかく)は下(した)に突(つ)き出(で)て、点もあるんだ。左(ひだり)の金文(きんぶん)を見(み)るとわかるように、「甫」（）は苗(なえ)の根(ね)を包(つつ)んだ形(かたち)で、上部(じょうぶ)はその苗木(き)が見えて、下の縦横(よこ)の線(せん)が苗を包んだ姿(すがた)なんだ。これに手(て)の動作(どうさ)の「寸」（）を加(くわ)えて、苗木を手に持(も)って植(う)えることを表(あらわ)した。左側の「」は集(あつ)めることを意味(いみ)し、広々(ひろびろ)とした畑(はたけ)にまとめて植え付(つ)ける形から、「ひろい」「ひろめる」「おおきい」「おおいに」といった意味になった。「ひろく知(し)る」の意味でも使(つか)われるね。
　「博士」は「はくし」と読(よ)むと専門(せんもん)の学問(がくもん)を深(ふか)く極(きわ)めて博士号(ごう)の学位(い)を取得(しゅとく)した人のことで、「はかせ」と読むと、物(もの)知り・学問のある人の意味になるよ。「万(ばん)博」は万国(こく)博覧会(らんかい)の略(りゃく)で、「博覧」は「広く物事(ごと)を知ること」だね。もちろん、博学・博識者(しきしゃ)でも、賭(と)博(ばく)はいけないとです！　♬ヒロシです、ヒロシです...
（産経国際書会副理事長、勝田晃拓）