2020年1月19日

筋道をはっきりさせる...「理」

20200117_kanji_01.png  「()」という文字(もじ)意味(いみ)調(しら)べてみると、「ことわり」「きめ」「すじ」「おさめる」などがあり、人名(じんめい)では、「おさむ」「まさ」「みち」などと()みます。
 「理」は、(うえ)篆文(てんぶん)楷書(かいしょ)()れば()かるように、(おん)(あらわ)す「()」と、意味を表す「(たま)」とが()わせてできた形成(せいけい)文字です。
 古代中国(こだいちゅうごく)翡翠(ひすい)などの宝石(ほうせき)は「(ぎょく)」と()われ珍重(ちんちょう)されました。「玉(みが)かざれば(ひかり)なし」ということわざがありますが、「玉」は、(うつ)しく光るように磨きあげられ、そして表面(ひょうめん)(あらわ)れた美しい文様(もんよう)文理(ぶんり))のことを「理」と言ったのです。
 玉の(ととの)った筋目(すじめ)(文様)は、物事(ものごと)の筋(みち)の意味に転用(てんよう)され、「(じょう)理」「(どう)理」という言葉(ことば)()まれました。物事をあるべき姿(すがた)(ととの)える「(かん)理」「理()」、身体(しんたい)基礎体力(きそたいりょく)保存(ほぞん)したり、おいしい食物(しょくもつ)(つく)ったりする「(りょう)理」「調(ちょう)理」、(かみ)をきれいに「理(はつ)」する、部屋を「(せい)理」する、などと使(つか)います。(ひと)皮膚(ひふ)にも「肌理(きり)」(きめこまかいこと)があるといい、人情(じんじょう)は「(じょう)理」ともいいます。「理」の意味を「理(かい)」できたでしょうか。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

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