2019年12月29日

三つの鋤で助け合い耕す...「協」

20191224_kanji_01.png  喧嘩(けんか)している三兄弟(さんきょうだい)(ちち)()ったよ。「この(たば)ねた三(ほん)()()れるか?」って。一本(いっぽん)なら簡単(かんたん)に折れても、三本一緒(いっしょ)だと(だれ)も折ることができなかったので、三人は、協力(きょうりょく)すればそれだけ(ちから)(づよ)くなることがわかり仲直(なかなお)り。
 (うえ)の、「協」の金文(きんぶん)()てごらん。右側(みぎがわ)の「20191224_kanji_03.png」は、(ちから)(すき)(かたち)をしている)(みっ)つの()()わせだね。これは農耕(のうこう)(とき)、協(りょく)して(だがや)すことを(しめ)している。(むかし)は農作業(さぎょう)共同(きょうどう)(おこな)必要(しつよう)(おお)かったんだね。左側の「20191224_kanji_04.png」には、(ひと)つにまとめるという意味(いみ)があるから、力や(こころ)を合わせて物事(ものごと)を行う、(たす)ける、という「あわせる」「ともにする」「かなう」の意味になったんだ。「協調(ちょう)」「協()」「協(さん)」「協(てい)」などと使(つか)う。そういえば、金文は、ラグビーのスクラムの形にも見えるね。
 ところで、「共同」と「協同」はどう違うのだろう。すぐに()協しないで、()かるまでトライしよう。令和(れいわ)元年(がんねん)()もなくノーサイド。()(とし)(むか)えてね。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)

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