2019年3月 3日

心がある方向を目指して行く...「志」

20190301_kanji_1.png  「少年(しょうねん)よ (たい)()(いだ)け」とは、明治(めいじ)時代(じだい)札幌(さっぽろ)農学校(のうがっこう)(げん)北海道(ほっかいどう)大学(だいがく))を開校(かいこう)したクラーク博士(はかせ)名言(めいげん)として有名(ゆうめい)です。そこで今回(こんかい)は「志」をひもときましょう。
 「志」は、「士」と「心」から()っています。(ひだり)篆書(てんしょ)をみると、「()」は、「()」(20190301_kanji_3.png)が楷書化(かいしょか)したかたちと()われ、「()く」という意味(いみ)です。「(こころ)」は、心臓(しんぞう)(かたち)20190301_kanji_4.png)からできた文字(もじ)で、のちに人間(にんげん)内面的(ないめんてき)気持(きも)ちを(あらわ)す「こころ」を()すようになりました。すなわち、心がある方向(ほうこう)目指(めざ)して行くことを、「(こころざ)す」というようになったのです。
 孔子(こうし)論語(ろんご)(なか)で、「吾十有五而乎学」((わたし)は15(さい)学問(がくもん)を志した)と言っており、このことから、「志学(しがく)」は15歳のことを指すようになりました((おな)じように、30歳を「而立(じりつ)」、40歳を「不惑(ふわく)」と言います)。
 「」を持って未来(みらい)へと(すす)んでくださいね。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

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