2018年11月18日
弓の矢を放つ瞬間...「射」
「射」は「弓の矢を放つ」「発する」「あてる」などの意味があります。金文では、「」と書き、弓()に矢(←)で手()を加えた形。矢を放つ瞬間を捉えています。篆書体になると、「」・「」と形を変え、弓は身()に、矢はタテ向きに。手はまたは、寸()に変化しました。これは誤って用いられたもので、現在に至っています。古代の弓は儀礼用として用いられ、礼・徳の正しい人を選んで、射を行わせました。論語には、矢を的に命中させることよりも、所作が大事である、と書かれています。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
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