2020年8月11日

[136]副理事長・柏葉書道会主宰・現日会理事長 高頭子翠(たかとう・しすい)さん(81)

第37回産経国際書展出品作品「面貎」(縦90×横180センチ) 20200811_sumitofude_2.jpg  静岡県富士市の中学生時代に書の道に入り、中・高時代に熱中した。結婚を機に上京したが、そこで出会ったのは、当時千葉県船橋市に住んでいた書家、森大朴(たいぼく)氏。
 「森先生は3年前に亡くなったのですが、炭鉱で働いていた方で、作風も豪快でした。40年近く通いましたが、あれほどいい人柄の方はいませんでした」と振り返る。

 長く、千葉県柏市に住み、書道の会「柏葉書道会」を主宰し、幼稚園児から80代まで幅広く指導している。
 「3人の子の子育てがひと段落して、子供たちのお友達を教えるようになりました。今では50歳を過ぎた、その子らの子供が通っています。地元だけでなく、埼玉から来る子もいます」と語る。
 長年、書の指導、作家として筆を握ってきたが、「書は忍耐です」ときっぱり。「『字をきれいに書きたい』とこの道に入ってきても、最初は上達していくので楽しいんですよ。でも、壁にぶつかるとリタイアしていく...。でも、続けることで書が宝物になることは間違いない」。
 夫の弘二さん(83)が一番の批評家だという。「夫は書はやりませんが、私がどの作品にするか迷っている、と〝これだよ〟という。なかなか鋭いなあって...。好きなことをやらせてもらえ、感謝しています」と笑顔をみせた。
 11月に開催予定の、28回を数える社中展「柏葉書道会」への準備に汗をかく毎日だ。
(谷内誠)