2019年9月27日

[129] 産経国際書会常務理事、景雲社顧問 赤堀翠柳(あかほり・すいりゅう)さん(89)

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20191023_sumifude_2.jpg  年の暮れを詠った蘇軾の五言古詩「別歳」を隷書で4行に書き、第36回産経国際書展韓国文化院長賞を受賞。年齢を感じさせないしっかりとした口調で、「受賞はお恥ずかしい限り。毎年違うものを書こうと思って、取り組んでいます」と語る。
 東京女子医大を創設した吉岡弥生をうんだ静岡県大東町(現掛川市)の生まれ。子供の時から好奇心は強く、書だけでなく、日本舞踊、民謡、水墨画、色鉛筆画なども学んだ。

 本格的に書を始めたのは、子育てが一段落した40歳過ぎ。近くの磐田市に住む故勝田景泉氏(産経国際書会顧問)につき、景泉氏が設立した東海書道会、同会の研究交流会である景雲社に加わった。景泉氏が体調を崩した後は子息の晃拓氏に師事し、「晃拓先生はとてもオシャレな字を書かれる方。金文など、毎日楽しく取り組んでいます」と話す。
 題材にした蘇軾の詩は、過ぎゆく年に、「老いも衰えも返すから、振り返ることなくさっさと行ってしまえ」と呼びかけ、新しい年を迎える軽妙洒脱な内容。制作時は体調を崩し、必死の思いで仕上げたというが、「毎日楽しい」と話す赤堀さんらしい作品だった。 
(福本雅保)