2019年8月 7日

[126] 産経国際書会常務理事・遊心書道会理事長 大庭清峰(おおば・せいほう)さん(56)

第35回記念産経国際書展出品作「白居易 池窓」(縦240×横60センチ)
大庭清峰(おおば・せいほう)さん  広島県下で100を超える教室を運営する大社中で、8年前、48歳の若さで理事長に就任。創立者の美之口起心会長の急逝(享年72歳)によるものだった。
 「自分もまだ修行半ば。途方に暮れましたが、美之口先生が好きだったので、正直やるしかない、と思いました」
 それまで手本を書いたこともなく、錬成会の指導は手探り。苦肉の策として思いついたのが、若手を集めた数か月かけての勉強会だ。メンバーそれぞれが書きたい作品を少しずつ書いて持ち寄り、自身も加わって互いに批評しあう。何度か経るうちに個性的な作品が増え、産経展での受賞も目に見えて増えてきた。
 書道は6歳から習ったが、指導者になる気はなく、塾講師の道に。ところが30歳の時、気管支喘息を患い運命が変わる。趣味のテニスなどスポーツを禁止され、思い出したのが書道。チラシを見て入会した遊心書道会で、美之口初代会長に口説かれ、38歳で書家の道に飛び込んだ。
 「塾でもそうでしたが、貶しては人は伸びない。良いところをみつけ、個性を生かす指導を心がけています」。
 初代会長の姪、美之口琴晴会長を支えて会を切り盛りするほか、産経瀬戸内展では今年から実行委員長に就任。若きリーダーとして瀬戸内の書の振興を牽引している。
(福本雅保)