2011年2月11日

産経国際書会常任顧問・佐藤青苑(せいえん)さん(77)

「書は"線"が肝心」

「いずれ、自作の短歌をすべて漢字に置き換えたものを書にしてみたい」

 短歌だけでなく、仏画、陶芸、華道と多彩な表現手段を自らのものにしてきた。最も多くの時間を割いてきたのは書道だが、「やっぱり、書がいちばん難しい」と語る。

 中央大学法学部を卒業し、大手化学メーカーが外資と合弁で新設したばかりの会社に就職。しばらくは司法試験の勉強を続けたが、役員秘書の仕事に追われて断念した。代わりに打ち込めるものをと、社内に書道部を創設したのが書を始めたきっかけだ。

 30代半ばの昭和43年、父が病に倒れたのを機に退職し、東京都内の自宅に「弥生書道教室」を開いて独立。間もなく父は他界したが、生徒の子供たちが通ってくるのが楽しみで玄関で待っていた父の姿が励みになった。平成17年には通信添削や応募作品の表彰をする月刊誌「墨奏(ぼくそう)」の発行も始めた。

 「顔真卿(がんしんけい)(中国・唐代の書家)が目標」と、伝統書のスタイルを堅持しながら現代を表現することにこだわる。「書は"線"が肝心。温かい伸びのある線が引けるかどうかです」とも。(原誠)