2024年5月 5日

産経の「経」が違うのはなぜ?

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 今回は本紙「産経新聞」の「経」を取り上げてみます。
 意味を表す「糸」と、はた織り機に張る縦糸のことをいう「(けい)」の音を合わせた字です。産経新聞の題字の「經」と今の私たちが使っている字が違うのにお気づきでしょうか。
 「經」は「経」の旧字体です。これは漢和辞典の基となった中国、清時代の康熙(こうき)字典が、顔真卿(がんしんけい)という唐時代の書家の影響を強く受けて作られたからです。顔真卿の家系は代々、古代中国の篆書(てんしょ)や文字学を研究する家柄でした。顔真卿もその影響を受け、楷書(かいしょ)に篆書体に基づく文字をたくさん残しています。
 戦前の日本の漢和辞典もこれにならって作られましたが、当用漢字の制定により、現在の「経」の形になりました。

(産経国際書会副理事長 町山一祥)

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