2021年7月11日

巻きつけると順序が下に...「弟」

20210711_kanji01.png  いよいよ、東京オリンピックの開催(かいさい)が目前に(せま)りました。お祭りムードはないものの、本来はスポーツを通じ世界の人々がひとつになる、「みな兄弟」と感じさせるイベントです。
 そこで今回は、その「弟(てい)」という文字について考えてみましょう。元は金文で「20210711_kanji03.png」と書き、武器(ぶき)である「戈(ほこ)」と「20210711_kanji04.png」(なめし皮のひも)からできています。
 武器の柄(つか)に順々(じゅんじゅん)になめし皮を()いた形をしているところから順序、次第という意味になりました。
 昔の中国では男子が生まれると、順に番号をつけて呼びます。日本では一郎、二郎などと名付けますよね。もちろん、その中国の影響(えいきょう)を受けています。  「兄弟」の弟は、年下の者をさすことから、弟の意味で使われるようになりました。また、(こう)弟といって、親兄弟によく仕える意味をも持っています。
(産経国際書会副理事長 高橋照弘)

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