2021年7月 4日

成り立ちが恐ろしい「道」

20210704_kanji01.png  人生は長い道に(たと)えられることがあります。山あり、谷あり...それが人生、平坦(へいたん)な道ではありません。この先、自分が進む道はどんなものか―考えを(めぐ)らせている人も多いでしょう。今回は、その「道」について考えてみましょう。
 「道」は小学校2年で習う漢字です。音読み=ドウ(トウ)、(くん)読み=みち。
 さて、「道」という文字には、なぜ「首」があるのでしょうか。それには、(おどろ)くような由来があります...。
 新しい「道」を作るとき、(てき)の「首」を持って歩いた、という(せつ)があります。たいへん恐ろしいですね。そこから、首を持って進んでいくところを「道」と表現(ひょうげん)したのです。
 小学生が学ぶには、衝撃的(しょうげきてき)ですね。というか、身近で当たり前に使っている漢字の成り立ちが、そういうものだったとは...。漢字が生まれた当時の荒々(あらあら)しさが伝わってきそうです。
 使用(れい)として、通り道、通路といった意味では「道路」「沿(えん)道」「(さん)道」など。人を一定の方向に(みちび)くことでは「道徳」「道理」「人道」など。専門(せんもん)的な(わざ)(きわ)めることでは、「書道」「茶道」「(じゅう)道」など。
(産経国際書会常務理事 山本晴城)

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