2021年6月 6日

次のスーパームーンが楽しみ「月」

20210606_kanji_01.png  先月26日、太陽と地球、月が一直線に並び、地球の(かげ)に月が(かく)れる「皆既(かいき)月食」がありました。この夜の(まん)月は今年一番地球に接近(せっきん)する、いわゆるスーパームーンとなり、空を見上げた人も多かったでしょう。それにあやかって「月」についてお話します。
 今回は3年ぶりに日本で見られる皆既月食となりましたが、東京では(くも)り、晴れ間が広がった東北、北海道などでよく観察できたようです。
 「月」は満月が()けて三日月となった形からきた象形(しょうけい)文字で、天体の「月」を表します。
 部首となる「月(にくづき)」と、天体の「月」は意味としてはまったく関係ありません。
 天体の「月」と関係があるのは、「明」「夕」「星」など、やはり天体や空に関係した漢字となります。
 「月」は金文では三日月の中に「・(てん)」が入ります。これは月が空洞でないことを指し、後々やはり金文の「20210606_kanji_03.png(ゆう)」と区別するために「・」が2つ付いたとされます。
 月を用いた言葉には「月曜」「月間」「正月」など、(こよみ)に関係したものが多くあります。月と暦が密接(みっせつ)だと分かります。
「ゲツ」としては、月(しゃ)、月面、月(れい)など。「ガツ」は、月忌(がっき)(月命日)、一月など。「ツキ」と読ませるのは、「月(ばら)い」「月()み」「月()め」など。
 次にスーパームーンの皆既月食があるのは12年後、2033年10月になるそうです。
(産経国際書会常務理事 山本晴城)

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