2021年5月 9日

トリとは無関係の「配」

20210509_kanji01.png  在宅(ざいたく)することが()えて、自宅へ荷物が(とど)けられる機会(きかい)がずいぶん増えました。配(たつ)の仕事をする人たちは大(いそが)しですね。その「配」は、酉(ゆう、20210509_kanji03.png 酒だるの形)と己(こ、20210509_kanji04.png ひざまずく人の姿をみた形)からなっています。
 ひざまずいて(すわ)る人に酒器(しゅき)を割り当てて(くば)るのが「配」で、配るという行為(こうい)から、手配、配分、配当、配送といった用例があります。組合わせるという意味では、配()、配列、配(ぐう)者という言葉があります。
 古代、神への祈祷(きとう)祭祀(さいし)は、重(よう)なことで、頻繁(ひんぱん)に行われていたため、(きよ)めに使われる酒はたくさんの量が必要とされ、(せい)法、用法、種類(しゅるい)などの工夫も進むにつれ、酉が部首となる文字も多くなできてきました。それはまたの機会に説明しましょう。
 干支(えと)で使われる十番目の(とり)は、ニワトリのことで、()りて使われたものが定着し、この部首を「ひよみのとり」「とりへん」と呼んでいますね。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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