2020年12月13日

器を打ち大きな声で叫ぶ「号」

20201220_kanji_01.png  中国では昔から(もっと)も強い動物は(とら)だったとか。
タイタニック(しょじょ)航海(こうかい)で氷山にぶつかって沈没(ちんぼつ)した悲(げき)豪華(ごうか)客船だけど...。そう、太字で書いた「号」「処」「劇」はみんな「虎」に関係がある。今回は、まず「号」について話そう。
 元字の篆書(てんしょ)では、神への祝詞(のりと)を入れる(うつわ)の形である「20201220_kanji_03.png(サイ)」と木の枝の形を表す「20201220_kanji_04.png(コウ)」の組み合わせだ。(いの)(ねが)うことが実現(じつげん)するよう、木(えだ)20201220_kanji_03.pngを付けて大声で叫び、神に祈ったんだ。
 号の旧字は虎が()(さけ)ぶような声に(たと)え、右に虎を加えた「(ごう)」なんだ。それで、「さけぶ」「なく」「どなる」意味になり、大声で人を()ぶことから「呼び名」、(さら)に「あいず」「しるし」「(じゅん)番」―と広く使われて、今のような簡単な形の「号」になったんだ。「号泣」「元号」「記号」「号令」「屋号」―などよく見るね。
 そういえば、台風〇号とか、特別ニュースだと号外とかが出る。最近は、暗号解読ゲームも大人に人気だってね。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

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