2020年8月 2日

鼻が長いあの動物と縁が深い?「為」

20200730_kanji_01.png  動物園で人気の(ぞう)童謡(どうよう)「ぞうさん」(まど・みちお作詞、團伊(だんい)玖磨(くま)作曲)の「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね...」の歌詞を思い出します。今回はそんな象にもまつわる漢字「()」についてみていきます。
 「為」の金文の書を見てみましょう。左上((へん))は「手」の形、右((つくり))は「(ぞう)」の形を示しており、この字は「象を()いならすさま」を表現(ひょうげん)しているとされております。古代では宮殿(きゅうでん)(つく)(さい)に、象を使って作業する場合もあり、「土木工事などをする」といった意味に転じました。さらにそこから「実施(じっし)する」を意味する「為」という漢字が成立したとされております。
このように象と人々は昔から結びつきが強かったようですね。こうした背景(はいけい)を知ると、動物園でも一層(いっそう)親しみを()めて象さんを見るようになるかもしれませんね。
(産経国際書会理事 鈴木暁昇)

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