2019年10月27日

道を行き財貨を手に入れる...「得」

20191024_kanji_01.png (ひと)には得手(えて)不得手(ふえて)があります。そこで今回(こんかい)は「(とく)」を(かんが)えてみました。(うえ)甲骨文字(こうこつもじ)は、「20191024_kanji_03.png」(道路(どうろ)省略形(しょうりゃくけい)(みち)のわかれるところ)、「20191024_kanji_04.png」(子安貝(こやすがい)(かたち)南方(なんぼう)(うみ)でしか()(はい)らない貴重(きちょう)な貝で、古代(こだい)ではお(かね)として使(つか)われていた)、「20191024_kanji_05.png」(手のこと。「(また)」「(すん)」とも()く)から()り、「(てき)」+「(ばい)」+「(ゆう)」の会意(かいい)文字です。道を()き、財貨(ざいか)のあるところでそれを手に入れて()つことを「(とく)」と()ったのです。
手に入れる、という意味(いみ)から、「得点(とくてん)」「所得(しょとく)」「獲得(かくとく)」、ものごとを()につける手段(しゅだん)として、「会得(えとく)」「体得(たいとく)」「修得(しゅうとく)」、事情(じじょう)理解(りかい)する「納得(なっとく)」「得心(とくしん)」、自信(じしん)があり(こころ)にかなう「得意(とくい)」などと使われるようになりました。
(ひと)つの(こと)(おこな)い、同時(どうじ)(ふた)つの利益(りえき)()る「一挙両得(いっきょりょうとく)」は、一石二鳥(いっせきにちょう)とも言いますが、自分(じぶん)行為(こうい)(むく)いを自身(じしん)()ける「自業自得(じこうじとく)」にはなりませんように!
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

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