鋤を使って耕作する...「動」

　改元(かいげん)から1カ月(げつ)がたち、令和(れいわ)の時代(じだい)が本格的(ほんかくてき)に動(うご)き始(はじ)めました。そこで、今回(こんかい)は、「動(どう)」という字(じ)を取(と)り上(あ)げます。
　金文(きんぶん)の時代は、「童(どう)」という文字(もじ)が「動」の意味(いみ)で使(つか)われていました。「童」とは、犯罪(はんざい)を犯(おか)し目(め)の上(うえ)に入(い)れ墨(ずみ)を入れられ、奴隷(どれい)とされた男(おとこ)の人(ひと)を指(さ)します。左(ひだり)の篆書(てんしょ)を見(み)るとわかるように、その「童」に、農耕用(のうこうよう)の道具(どうぐ)である「耒(すき)」（鋤(すき)）である「（力）」が加(くわ)わって、鋤を使って耕作(こうさく)する、という意味になりました。
　身体(からだ)を動かすことから、「うごかす」「はたらき」「衝撃(しょうげき)を受(う)ける」などの意味になり、「動作(どうさ)」「動乱(どうらん)」「動静(どうせい)」「動揺(どうよう)」などと使います。
　皆(みな)さんも新(しん)時代にふさわしい、新(あら)たな行動(こうどう)を始めませんか？
（産経国際書会常務理事、山本晴城）