2019年4月21日

行事などが行われる場所の意味もある...「庭」

20190421_kanji_01.png  「庭」の文字(もじ)分解(ぶんかい)すると「广(げん)」と「(てい)」に分かれます。「广」は屋根(やね)(かたち)、「廷」は「階段(かいだん)(宮殿(きゅうでん))の(まえ)から()()たにわ」を(あらわ)すことから、「にわ」を意味(いみ)する「庭」という漢字(かんじ)()()ちました。
 「廷」は、天子(てんし)皇帝(こうてい))の()む、(たい)らに()ならしをした場所(ばしょ)を表す文字です。「廷」はさらに、「(いん)」(()ばす)と、「20190421_kanji_03.png」(まっすぐ()びた(ところ))に分解することができ、「天子の住む平らな場所」から(てん)じて、「政治(せいじ)(おこな)うところ」「裁判(さいばん)を行うところ」を意味します。
 天皇(てんのう)国王(こくおう)居所(きょしょ)を「(きゅう)廷」、天子が政治を行う所を「(ちょう)廷」、裁判(さいばん)を行う場所を「(ほう)廷」と()いますね。こうした背景(はいけい)から、「庭」には「物事(ものごと)の行われる場所」「神事(しんじ)(ぎょう)事などの行われる場所」の意味も(ふく)まれます。興味(きょうみ)(ぶか)いと(おも)いませんか。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)

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