2018年12月16日

神前で声を上げて応答を得る...「詩」

20181213_kanji_01.png  「詩」という文字(もじ)は、「言」と「寺」で構成(こうせい)されます。「言(20181213_kanji_03.png)」は、(かみ)(ちか)いを()てて(いの)言葉(ことば)。「寺(20181213_kanji_04.png)は(うえ)篆書(てんしょ)をみるとわかるように、(なに)かを()()つかたちを(あらわ)し、「持つ」という文字のはじめのかたちでした。次回(じかい)紹介(しょうかい)する「歌」でも、「可」の文字が、(つえ)20181213_kanji_05.png(サイ)をたたいて、祈り(うった)えることをあらわすように、「詩」は、神前(しんぜん)(こえ)()げて「うた」をうたいあげることにより、神の応答(おうとう)()るのが目的(もくてき)でした。
 「うた」の内容(ないよう)は、最初(さいしょ)儀礼(ぎれい)沿()った()まったものでしたが、(のち)人間(にんげん)心情(しんじょう)をうたうものとなり、人々(ひとびと)共鳴(きょうめい)させ、やがて文学にまで(たか)められました。
 「寺」が寺院(じいん)意味(いみ)使(つか)われるようになったのは、漢代(かんだい)(はい)ってからといわれています。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

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