両手を上げ頭を傾けて踊る...「笑」

　皆(みな)さん、初夢(はつゆめ)はどんなでしたか？良(よ)い年(とし)になるといいね。それには、「笑(わら)う門(かど)には福来(ふくきた)る」の言葉(ことば)にあるように、どんな時(とき)でも笑顔(えがお)を絶(た)やさないことが大切(たいせつ)なんだよ。
　そこで、今年(ことし)の初漢字(はつかんじ)は、「笑」の字(じ)。上(うえ)の金文(きんぶん)を見(み)てみよう。
　神(かみ)に仕(つか)えて、神のお告(つ)げを人に告げる巫女（みこ）さんが、両手(りょうて)を上(あ)げ、身(み)をくねらせながら舞(ま)い踊(おど)る形(かたち)になっているね。強(つよ)く訴(うった)える時は、神を楽(たの)しませようと笑いながら踊るので、その様子(ようす)を「笑」といい、わらう、ほほえむ、の意味(いみ)に使(つか)ったんだよ。巫女が両手を振(ふ)りかざしている形を「竹」かんむりで表(あらわ)し、下(した)の「夭(よく)」（くねらす）の方(ほう)は、人が頭(あたま)を傾(かたむ)け、体(からだ)をくねらせて舞う美(うつく)しい姿(すがた)を表わしているのがわかるよ。
　これから寒(さむ)さが厳(きび)しくなるけど、みんなの気合(きあい)で笑いとばし、楽しいことがたくさん増(ふ)える素晴(すば)らしい一年(いちねん)にしようね。
（産経国際書会副理事長、勝田晃拓）