2017年12月10日

小さな貝にひもを通した形...「少」

2017120701.png  今年(ことし)(のこ)()なくなってきたね。今回(こんかい)の「少」の()は、「小」と()ていて、画数(かくすう)()ないけれど、()くときにバランスを()るのが()(むずか)しいね。
 (ひだり)金文(きんぶん)()ると、「小」が(かい)宝石(ほうせき)がバラバラに散乱(さんらん)している(かたち)で、それに「ひも」を(とお)してつづった形が「少」なんだ。(かず)が少ないので、すこし・すくない、の意味(いみ)になり、それを(ひと)()てはめて、少年(しょうねん)年少(ねんしょう)少数(しょうすう)など、わかい・おさないなどの意味でも使(つか)われるようになったよ。
 もう少し(くわ)しく調(しら)べると、「砂」は貝のようにやや(あら)い「すな」のことで、もっと(こま)かい「すな」は「沙」の字を使うんだよ。「省」の字にも「少」の形があるけど、こちらは貝ではなくて、()(うえ)に付けたまじない(よう)のまゆ(かざ)りなんだ。
 今は()子化(しか)で、子供(こども)たちも()()価値(かち)時代(じだい)とも()われるよ。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)

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