2017年9月 3日

お供えの貝のお金がたっぷりある...「実」

shokai_20170829_1.png  九月(くがつ)になり二学期(にがっき)(はじ)まりました。()りの(あき)にはいろんな行事(ぎょうじ)があって(たの)しみだね。(じつ)は、今回(こんかい)の「実」の(もと)()は「實」で、左上(ひだりうえ)金文(きんぶん)では、「(べん)」と「(かん)」とが()()わさった(かたち)なんだ。「宀」は祖先(そせん)(れい)(まつ)る廟(みたまや)の屋根(やね)の形の神聖(しんせい)建物(たてもの)(あらわ)わしているよ。
 「貫」はよく()ると、上部(じょうぶ)(あな)()けてつないでいる形だね。()部は「(かい)」だから、お(かね)として使(つか)った貝に穴を開け、(ひも)(とお)した形のことなんだ。だから、「實」は祖先の霊へ、貝のお金をどっさりお(そな)えすることを()していて、そこから「みちる・みのる・み」の意味(いみ)に使い、(のち)簡単(かんたん)な「実」になったんだ。
 果実(かじつ)()がつまっている果物(くだもの)で、人の(こころ)()てはめると、誠実(せいじつ)真心(まごころ)()ちていることだね。さあ秋()れの季節(きせつ)(じゅう)()した毎日(まいにち)にしよう。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓) shokai_20170829_2.png