2019年11月22日

[131] 専管理事・日本書道学士院会長・方琥書院主宰 久田方琥(ひさだ・ほうこ)さん (62)

第36回産経国際書展「八木重吉 不思議をおもう」(縦90×横180センチ)
久田方琥(ひさだ・ほうこ)さん  9月に地元の大阪・茨木市立ギャラリーで、第5回方琥書院書画展を開催。漢字から現代書、水墨画、絵手紙、看板アートまでバラエティー豊かな作品が並んだ。
 書だけでなく、水墨画、ペン習字の教室も持ち、「生徒さんには、まず『何をしたいの?』と聞くことにしています。表現する喜びを知ることが第一。そして水墨なら、絵とともに必ず字を入れてもらうようにしています」と話す。

 茨木で、地元ゆかりの川端康成の作品を書き、書のアーティストを自任した産経国際書会元副理事長、佐々木鐵仙さんに大学卒業後の23歳から師事。鐵仙さん自身が書、水墨、篆刻、歌を詠むことまでこなし、「4つできて初めて書家」と、すべて教え込まれたことが今も生きている。
 最初は普通のOLの手習い。鐵仙さんについたのも、「最初の先生が病気になりその紹介で」、という偶然だった。真剣になったのは、26歳で結婚し、2人目の子供ができた頃。知らぬ間に先生の情熱が"感染"し、3時間おきの授乳の間、子供の寝顔を見ながら臨書を繰り返した。
 書会では、平成11年から審査会員。現在は師の興した日本書道学士院の会長も務める。
 日本篆刻家協会常任委員でもあり、最近は毎年のように訪中し、画像石(石板に画像を彫刻したもの)の魅力にはまっているという。
 「方琥という号は、先生が『宝の庫(くら)(=ほうこ)』とつけてくれたもの。生徒さんと一緒に表現の面白さ、楽しさに挑戦したいと思っています」。
 (福本雅保)