2018年12月14日

[120] 産経国際書会常務理事・京都書道連盟副理事長・京都佳趣会主宰 長尾佳風(ながお・かふう)さん 

第35回記念産経国際書展出品作「李白 落日」(縦240×横60センチ)
長尾佳風(ながお・かふう)さん   平安の都、京都の二条城近くで大人のための書道教室を開講。
 「書道は右脳と左脳を両方使い、しかも自分のペースで息長くできる。自分の楽しさ、やりがいを見出してもらえれば、と思っています」と話す。
 書を始めたのは8歳の時。友達と同じように塾に通い、師範の資格を取得した。市立美術館の展覧会ではいつも作品が展示されたが、当時の意識はあくまで「お稽古事のひとつ」だった。
 転機は結婚後、長男に書道を教え始めたことから。ママ友に頼まれ他の子供たちもみるうち、いつしか教室に。「人に教えるにはきちんと学ばないといけない」と、30代で花園大学の中島皓象(こうしょう)教授(日展審査員)の書道講座を受講、書論と実技を学んだ。
 展覧会への出品も始めると、作品づくりに夢中に。「自分の思い通りに表現するのが楽しくて」と、二尺×八尺作品を一日に10本書いたことも。京展、日展を経て、産経国際書展には第25回展から出品を続けている。
 「私の持論は、『書道は格闘技』。書く前に精神的に戦い、実際に大きな作品を書きだせば、筆をふるう戦いになる。運動不足でストレッチ、なんて必要もありません」と爽やかな笑顔をみせた。
(福本雅保)