2018年10月26日

[118]産経国際書会常務理事・輪の会会長 小野亭良(おの・ていりょう)さん(79)

第35回記念産経国際書展出品作品「晩夏」(縦180×横90センチ)

小野亭良(おの・ていりょう)さん  書を始めたのは43歳のとき。6年間、自宅で介護を続けた義母を見送り、ぽっかりと心にできた空虚さを埋めようと、自宅近くの公民館の書道教室に出かけたのがきっかけだった。
 「そこの師範が、國井誠海先生(元産経国際書会最高顧問)の流れを引く岡螢風先生。教え上手で、誘われるままに現代書の展覧会に出品するようになった」と振り返る。

 赤穂浪士の里、兵庫県加西市の出身で、四十七士のひとり、小野寺十内の末裔。父の兄弟がみな書がうまく、小中学校は書道部。中3の時、当時の皇太子殿下(いまの天皇陛下)の立太子礼記念書道展で入賞し、全校生徒の前で表彰されるなど、習字には自信があったが、現代書は初めて。
 「内容も書き方も紙のサイズも自由に、自分の表現ができる。楽しくて、その魅力に取りつかれました」
 各書展で次々と受賞を重ね、平成10年に岡氏、村田和子氏とともに大阪、三重を基盤とする輪の会を結成。平成23年に3代会長に就任した。
 80歳の今も岡氏から引き継いだ公民館で、大人、子供を指導。「皆の成長を見るのが楽しい」という。
 11月8日(木)から11日まで、大阪市北区の大阪くらしの今昔館ギャラリーで、5年に一度の記念展「20周年記念輪の会書展」を開催する。
(福本雅保)