2017年10月20日

[106] 産経国際書会副理事長・抱雲会代表・日本書道専門学校理事長兼校長 髙橋照弘(たかはし・てるひろ)さん(70)

第34回産経国際書展出品作品清風入梧竹」
髙橋照弘さん  国際的に活躍した書家、手島右卿が初代校長をつとめた日本書道専門学校(東京都品川区)校長で、右卿ゆかりの「抱雲会」代表に昨年就任。「私の書人生は最初から右卿先生に導かれていた気がする。亡くなって30年の今も、巨大な存在として心の中にある」と話す。

 静岡県清水市(現静岡市)生まれ。小4のとき入った学校の書道クラブの先生が実は右卿の孫弟子だった。進学した静岡市立高校の書道担当教師は、右卿の高弟、山﨑大抱。とはいえ指導は臨書中心で、髙橋少年は右卿のことなど知らぬまま、古典の習得に夢中になった。
転機は2年のとき。ドイツ・バーデンバーデンの東洋映画紹介のポスターに使用された、大抱の淡墨の「心眼」という少字数書に心奪われ、生涯書で生きることを決意した。
 大東文化大に進学後、1年から日本書道学校にも入学。第1期生として、念願の右卿の指導を受ける。  そのまま日本書道専門学校に奉職し、平成20年に第3回手島右卿賞受賞。来年の国際書展新春展では、久々に大作に挑む。「なぜ、なぜ、を考えるのは今も同じ。自分の書を求めて勉強中です」。
(福本雅保)