2017年3月23日

[99] 産経国際書会副理事長・21世紀国際書会副理事長・國藝書道院会長代行 坂本香心(さかもと・こうしん)さん(75)

丁仙芝 餘杭酔歌贈呉山人
坂本香心さん
 産経国際書展には入会した第2回から連続出品し、第10回記念展(平成5年)で最高賞の会長賞を受賞。昭和61年の公募國藝書道院展内閣総理大臣賞、平成11年には21世紀国際書展グランプリに輝いた。
 「文字は相手に伝わることで役割は終わる。書はその先、どれだけ自分の感性、個性を出せるか。労苦を惜しまず、作品に挑戦したい」
 書会最高顧問で、現代を代表する書家、齋藤香坡氏(79)の4歳下の妹だが、書を始めたのは先だ。小2から、鎌倉の書家、森翠坡氏に師事。一人で歩く山林の夜道が怖くても、休まず稽古を続けた。
 小6のとき、大日本書芸院全国学生部の最高賞を受賞、東京都美術館で揮毫する栄誉。母親の介護で一度は離れたが、兄の独立を機に、再び書の道に戻った。
 兄の書とあわせて、徹底して学んだのは、褚遂良の多字数の臨書。懐を狭めて行間をとる書風は、自分の作品だけでなく周囲をも生かす作風につながっている。
 人にも自分にも誠実に向き合う姿勢は、指導の場でも。27年間休まず続ける教室はメンバーを欠くことなく、皆が後押ししてくれる。
 「書は生涯のもの。作品も指導も挑戦をし続けたい」。(福本雅保)