2016年4月 8日

[88]専管理事・鐘雲書道会名誉会長 馬場芳苑さん(85)

青天白日
農業と書道に打ち込んだ人生
馬場芳苑さん
 今年の3月、20年間にわたって務め上げた鐘雲書道会の第6代会長職を退いた。同会は、日展審査員の菅谷幽峰氏が昭和10年に創設した埼玉県北部では名門の書道団体だ。芳苑さんは、幽峰会長の頃に20代で入門。2代目会長となる、やはり日展作家の関口芳岳氏に師事した。

 「手本通りに書いても褒めないよ」という師は、基本である古典を重んじつつ作品には個性を出すよう強調した。師の下では埼玉県知事賞を合計4回受賞するなど活躍したが、芳岳氏は60歳の若さで急逝し、支柱を失った時期もあった。

 その後、会では日展や毎日展で活躍していた明石春浦氏を講師に迎えた。「書の全体感覚が変わった」というほど、春浦氏の筆を自在に操る「創作的な字」には衝撃を受けた。
現在の書風に至る大きな転換期となったようだ。

 埼玉県職員として農業指導の仕事に長く携わり、掲示物や報告書の表紙の筆耕など、仕事先で頼まれれば快く引き受けた。また、終業後には会議室や集会所でよく「書道教室」を開講したという。

 「書と農業に並行して打ち込んだ人生だった」と振り返る。今回から名誉会長として出品する「第43回鐘雲書道展」が、5月14、15日に埼玉県大里郡寄居町の町立総合体育館で開催される。(松本篤幸)