2025年9月15日
巫女を殴り敵の呪いを削ぐ行為の「微」

「微」と「徴」...両者の特徴が微妙に似ているのは、双方よく似た行為を表す字だからです。異なる部分「兀」と「王」に注目し、まず「微」を見てみましょう。
金文の「兀」は結ばない長髪の巫女を横から見た姿で、「山」(髪飾り)をつけたのが「」の形。敵方の巫女を「攴」(手で持つ枝)で殴って、敵の呪力を衰えさせる行為の形が「
」です。「彳」は道路の意味で、「微」は敵との境界通路で「
」を行うことを指し、なくす・そぐ・弱めるの意味から「微細」「微弱」などと使われます。
さらに、かすか・ほのか・ひそかの意味で「微小」「軽微」「微笑」と使用されるようになりました。
次回は「徴」を取り上げます。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
書・勝田晃拓
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