2023年5月14日

長さの単位を表す文字「尺」

20230511_kanji01.png  今回は「尺」についてお話しします。
 「尺」は「シャク」「セキ」と読み、長さの単位を表す文字です。重さの単位を表す文字は「(かん)」で、日本ではかつては尺貫(しゃっかん)(ほう)とメートル法を併用していました。しかし、尺貫法は昭和34(1959)年に廃止され、メートル法のみが使われるようになりました。ちなみに一尺は約30.3センチです。
 「尺」は篆書(てんしょ)で「20230511_kanji03.png」と書きます。左のタテは親指、右のタテは残りの4本の指をまとめた形で、上方(じょうほう)の長いものは腕を表しています。定規(じょうぎ)のない時代は親指と残りの指の間を伸縮(しんしゅく)させ、長さを計ったのです。ちなみにこの指の動きによく似た虫を尺取虫(しゃくとりむし)といいます。
(産経国際書会理事長 髙橋照弘)

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