2022年11月20日

「徒」は、従(したが)う仲間の意味

「徒」は、従(したが)う仲間の意味  朝、登校中の生徒たちに出会いました。そこで今回は「徒」について考えます。
 「徒」の元の字は「20221118_kanji03.png」といわれ、金文に(さかのぼ)ります。「20221118_kanji04.png(土)」(「(やしろ)」の元の字)は土地の神の在る所、「 20221118_kanji05.png((ぎょうにんべん))」(大きな交差点道路を表す「行」の左半分で小道を表す)はその道を行くこと、「20221118_kanji06.png」(足跡(あしあと))は徒歩で行くこと、の3つで成り立っています。徒歩で行くことが誇張(こちょう)されていて、身分の高い人が車に乗り、その地域に属する民が「徒」で、仲間・氏子(うじこ)・組の一員として扱われました。軍においては、貴族出身の軍士に随行する者を「徒」(歩兵)としました。
 「徒」は、従う仲間の意味ですが、「何も持たない」の意味もあります。徒手(としゅ)(手ぶら)、徒労(とろう)(むだ骨)、徒食(としょく)(働かずに暮らす)などの表現としても使われるようになりました。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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