2022年6月 5日

羽を閉じている形「羽」

20220603_kanji_01.png  自由に空を飛べる羽が欲しいと思ったことはありませんか? 今回は「羽」という字を紹介しましょう。
 この字は、鳥や虫などが羽をそろえている姿をかたどった象形文字です。読み方も(おお)という意味の「宇」からきています。つまり、「羽」は飛ぶ姿を表した文字ではなく、止まって体を羽で覆っている姿を表しています。
 では、(つばさ)を開いて飛ぼうとしている姿を表した字はあるのでしょうか? 「非」という字がそれに当たります。「非」は羽を広げ、左右に向き合う形の象形です。一対(いっつい)の翼が向き合うことから否定の意味で使われるようになりました。「羽」と「非」は、それぞれが持っているイメージとは全く逆の使い方が存在しています。
(産経国際書会副理事長 町山一祥)

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