2018年3月18日

つま先立ちして遠くを眺める...「望」

20180320_1.png 「望」は、契文(けいぶん)甲骨文字(こうこつもじ))では左上(ひだりうえ)のように「20180320_3.png」と()きます。20180320_4.png()20180320_5.png(壬)は、(ひと)がつま先立(さきだ)ちをしていることを(あらわ)し、(とお)くを(なが)めているという意味(いみ)になります。金文(きんぶん)篆文(てんぶん)では、(つき)を加えて「朢」となり、「20180320_6.png」の表す(おん)の意味は「(まん)」なので、「朢」は十五夜(じゅうごや)満月(まんげんつ)を表すようになりました。
のちに声符(せいふ)漢字(かんじ)の音を表す部分(ぶぶん))として「亡」が加わり「望」字ができると、「朢」と(おな)じ意味、内容(ないよう)になりました。「朢」は「望」の本字(ほんじ)でもともと()はひとつ。現在(げんざい)は「望」のみが使用(しよう)されています。
「望」を使(つか)った熟語(じゅくご)には、望郷(ぼうきょう)展望(てんぼう)希望(きぼう)などがあります。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)

20180320_2.png