2017年7月 9日

祖先の霊に肉を供えることからできた「間」

kanji_20170704_1.png  「門」のつく()はたくさんありますが、今回(こんかい)次回(じかい)はよくつかう()字、「間」と「聞」を(かんが)えます。最初(さいしょ)は「間」です。
 「門」は()すと両方(りょうほう)(ひらく)(とびら)(かたち)kanji_20170704_3.png)からできた象形文字(しょうけいもじ)です。「門」には、(うち)(そと)区別(くべつ)する役目(やくめ)があります。祖先(そせん)(れい)をまつっている廟(みたまや)は、神聖(しんせい)場所(ばしょ)で、人々(ひとびと)はその門中(もんちゅう)(にく)(そな)え、(やす)らかに(しず)かであることを(いの)りました。
 みたまやの門に肉を供えることから「閒(kanji_20170704_4.png)」という字が()()ちました。神聖な場所と俗界(ぞくかい)の「間(あいだ)」、「ま」、「すきま」などの意味(いみ)になりました。「閒」は、いまは略字(りゃくじ)の「間」と書いています。
 門のすきまから月光(げっこう)がさしこむ、という(せつ)もあり、その場合の「月」は「お(つき)さま」を()しますが、(かみ)への祈りを()きには考えられない古代人(こだいじん)姿(すがた)から、「閒」の「月」は、「肉」をあらわしたもの、という考え(かた)(いま)主流(しゅりゅう)のようです。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕) kanji_20170704_2.png