2015年10月 4日
「耳」が果たす重要な役割
目で視て、耳で聴く。目と耳は人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうちでもとくに重要といわれます。そこで今回は「耳」という漢字の成り立立ちと仲間の漢字について考えてみます。
上の文字は「耳」の金文です。人間の耳の形を象ったことがよくわかるでしょう。古代、耳は神の声を聴く、重要な器官と考えられていました。
「耳」から生まれた漢字に「聖」(セイ、ひじり)があります。この漢字のもともとの意味は、神の声をよく聴くことができる人のことで、「聖人」とは高い学識や仁徳を備えた人のことを言います。オリンピックで点火される「聖火」は、神に捧げる神聖な火、という意味です。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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