2015年4月 5日

自分を示すとき指さすところは


ひと自分じぶんのことをしめすとき、自分のはなを指したり、鼻にれたりします。この仕草しぐさ古代人こだいじん現代人げんだいじんも同じようです。

自分のことをあらわす「自」は正面しょうめんから見た人の鼻のかたちをかたどりました。最古さいこの文字とされる甲骨文こうこつぶん(上の文字)を見ると、眉間みけんにしわを寄せ、鼻にもしわを寄せた人の鼻の形が想像そうぞうできます。「自」から「おのずから」「みずから」などの意味いみも生まれました。

「自」から生まれた主な言葉は①自分の―の意味で「自力じりき」「自費じひ」②自分で―の意味で「自治じち」「自慢じまん」③自然しぜんに―の意味で「自明じめい」「自生じせい」④~より―の意味で「出自しゅつじ」「各自かくじ」などがあります。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)