第42回 産経国際書展

第42回産経国際書展 ごあいさつ

産経国際書展は今年で第42回展を迎えることとなりました。

昭和59年に書芸術の国際交流を通じて世界各国との友好親善を深めあい、世界平和に寄与するとともに書技、創作活動の一層の向上、発展に期することを目的に産経国際書会が設立されました。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた2025大阪・関西万博では、私共も「大阪・関西万博展」として参加、会員の皆様にお願いして、いつもの公募展とは違ったきらびやかな表装をまとった作品が並び、多くの人々の目を楽しませました。初めて書に触れる人も多く、万博という通常の展覧会とは一味違い、日本文化をアピールし国際交流の一助になりました。来年の11月頃には日本書道がユネスコ無形文化遺産に登録される見込みです。今後、いっそう「日本書道」が盛り上がることと期待します。

今年は5509点の出品がありました。東京展の展示点数は会員、公募を含めて2329点と昨年に続き「中国 明清の書画名品」を約40点、そして、高円宮妃殿下が会員の皆様がお年を重ねられても楽しく書道を続けてほしいという願いを込めて開催する「特別色紙展」に63点が出品されます。御題は「萬」と「博」。さらに、万博で展示した作品162点も特別展示します。そして、中山秀征、松村雄基ら文化人の作品7点を加えて約2600点を展示いたします。また、模範揮毫、ギャラリートーク、書道の疑問に答えるパネルディスカッションなどイベントも盛りだくさんです。多くの人々に足を運んでいただき、「書」を楽しんでいただければと存じます。

産経国際書会の理念は、設立時の3C、「clean(清潔)、clear(明朗)、creative(創造)」に、「character(品格)」を加えた4Cです。クリーンな審査は第1回展から現在に至るまで受け継がれており、流派にはとらわれない「良いものは良い」の精神が貫かれています。また、想像力豊かな作品の多さには目を見張るものがあります。産経国際書会はクリーンと創造性を特に大切にしてこれからも前へ前へと進んで参ります。

最後になりましたが、本展の開催にあたりご協力賜りました皆様に深く感謝申し上げます。
また、出品者各位のご健勝と益々のご健筆をお祈り申し上げます。

令和7年8月

産經国際書会・産經国際書会

産経国際書会理事長
髙橋 照弘

第42回産経国際書展は、産経新聞社をはじめ関係各位の心強いご支援ご協力をいただき開催できますことを心より感謝し厚く御礼を申し上げます。産経国際書会は、日本と中国の書の歴史を踏まえ、現代の書を標榜し日本書道普及発展に向け確かな歩みを進めています。

本展は書会が行う多くの事業の中核をなすものであります。公募は偏することなく広く門戸を開放し全ての書を受け入れています。公募、会員の審査には産経国際書会により選任された審査員がこれに当たっています。作品は部門ごとに分類し、慎重に丁寧に公正厳正に行われ特別賞以下の賞を決定しています。作品は日頃の研鑚を積み重ねた努力の成果が鮮明に表われており、個性をいかした多種多様な作品が多くなっています。

現在、大阪夢洲にて大阪万国博覧会が開催されております。書会では「墨いろの軌跡」と題して万博会場内イーストギャラリーにて展覧会を6月14日から19日まで開催いたしました。来場者は1万人を越え好評裏に終了できました。ご覧いただけなかった方々、再度見たいという方々の強い要望により急拠本展に特別展示することになりました。作品は全て軸装とし、作品を効果的にみせる日本表装の仕事とともにじっくりと心ゆくまで鑑賞することができます。

昨年「呉昌碩生誕180周年記念および周辺作家の書画展」を開催いたしました。大変よい世評を得ることができました。昨年に引き続いて「中国 明清書画名品展」を開催いたします。明清時代の書画を代表する作家、馴じみ深い作家の作品を展示します。元の文芸上の復古的気風、書は晋唐を求め、明初は元代の書風を継ぎ、中期は王羲之の書が多く学ばれ、後期には新しい自由な書が生まれています。清代は康熙帝をはじめとし書が隆盛となり、優れた書家が多く出ています。一方、学術研究も盛んとなり書法、文字学の業績は多大なものがあり、日本書道界へ与えた影響は計り知れないものがあります。一連の作品をみることにより近世、近代書道の流れを理解し、自分自身の書の源流を溯り、知ることができるものと考えています。

東京展終了後は地方展が開催されます。9月には関西展(大阪市立美術館)、東北展(せんだいメディアテーク)、瀬戸内展(広島県立美術館)、11月には中部展(名古屋電気文化会館)と続きます。各地方展に多くの方に足をお運びいただき鑑賞していただければ幸いであります。

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