第38回 産経国際書展

第38回産経国際書展 ごあいさつ

今年も無事、産経国際書展の開幕を迎えます。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、審査会を縮小し、特別選考委員会も開催いたしませんでした。しかし、今年は5月25日から3日間審査会を行い、高円宮賞、内閣総理大臣賞など全ての賞を選出することができました。

書芸術の国際交流を通じて世界各国との友好親善を深めあい、世界平和に寄与するとともに書技、創作活動の一層の向上、発展に期することを目指し、現在も自由闊達な雰囲気の中、若手から役員までが切磋琢磨しながら活動を続けています。この「書による国際交流」が評価され、今年、ペルー大使館からペルー大使館友好賞が贈られることとなりました。これも会員皆様の精進の賜物です。第35、36、37回展の3年間に各国駐日大使などに揮毫いただいた「書で結ぶ世界と日本」企画は、集大成として38点全ての作品を展示します。また、韓国書壇の著名書家8人の作品を特別展示し、展覧会の中でも国際交流を行います。

コロナ禍のなか、皆で集まって教室や錬成会を開くことができず、作品作りに苦労したり、書道自体から離れていってしまう方々が多い中、今年は昨年より多い5280点の出品がありました。役員、社中代表、会員皆様の御協力に感謝申し上げます。なお、同時開催となります「2021産経ジュニア書道コンクール」は出品点数が10440点と、1989年に第1回を開催してから初めて1万点を超えることとなりました。日本の生活文化としての「書」への興味を小さい頃から醸成し、ジュニアからU23、U23から本展へと、その出品がつながる事を期待してやみません。

最後になりましたが、本展の開催にあたりご協力賜りました皆様に深く感謝申し上げます。また、出品者各位のご健勝と益々のご健筆をお祈り申し上げます。

令和3年7月

産經国際書会・産經国際書会

産経国際書会理事長
風岡 五城

ここに第38回産経国際書展の開幕を迎えることができました。関係各位の皆様方のご支援・ご協力のたまものと心から厚くお礼申し上げます。ご出品いただきました多くの皆様方におかれましては、新型コロナウイルスの感染拡大が続く不安定な状況の下での作品制作はご苦労が多かったことでしょう。そうした困難を乗り越えて、ご入選・ご入賞された皆様の喜びはまた格別のものがあろうかと存じます。心からお祝いを申し上げます。

昨年はコロナの感染予防の観点から贈賞式・祝賀会は中止としましたが、今回は十分な感染対策をほどこして贈賞式のみとり行います。公務ご多端の折りにも関わりませず高円宮妃殿下にはご来臨の栄誉を賜り贈賞式を挙行できますこと産経国際書会会員一同、衷心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

東京2020オリンピック・パラリンピック大会が一年延期され、第38回産経国際書展の開催がその期間と重なることで、この機会に世界の人々に日本の書の文化を紹介できればと思っていました。しかし、やはりコロナの関係でそれはあまり期待できなくなったことは残念ですが、書の力でこの社会を元気づけることの意義は何ら変わることはありません。

世界の国々との交流・親善ということでは、第35回展から3年連続して企画展示してきました「書で結ぶ世界と日本」(各国の駐日大使に「平和」「希望」「夢」などにあたる自国の言葉を毛筆で書いていただいた)を改めてすべて一堂に展示します。毛筆の魅力をまた新たな観点から見直し、感じていただければ幸いです。

恒例となりました色紙展は、高円宮妃殿下より「命」「醫」のお題をいただきました。コロナに打ち勝つ気合を込めて80歳以上の会員が筆を揮いました。併せてお楽しみください。

東京展の後は9月に東北展(せんだいメディアテーク)、瀬戸内展(広島県立美術館)、11月に中部展(愛知県美術館)、関西展(大阪市立美術館)と続きます。各地方展においても多くの方々にご鑑賞いただけることを願っています。

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