2018年5月29日

[113]産経国際書会理事・書峰書道会会長 田島青谷(たじま・せいこく)さん(68)

第34回産経国際書展出品作品「麗」(縦135×横70センチ)
田島青谷(たじま・せいこく)さん  書道の盛んな埼玉・秩父で、隆盛を誇る書峰書道会の会長に昨年12月就任した。
 「近年は、日本の美しい文化的表現である、文字が衰退している難しい時代。会として、この美しい文化を守る活動をしていきたい」と意欲を話す。

 父が早く亡くなり、母と2人で多忙な農家の暮らしを送った。書道を始めたのは、隣組の当番で、祭礼の奉納札を書く必要ができたのがきっかけ。23歳のとき勧められ、秩父書壇の大御所で、書峰創設者の松田海軒氏の門を叩いた。
 「あるとき師匠から、上位者も初心者も学ぶと良い字だ、と米芾の手本を渡された。でも、そのときは、県庁の勤務と家で手いっぱいで、真剣に取り組まなかった。後悔が残っています」  それでも、産経国際書展は、師とともに1回展から出品。県展などで、めきめき頭角を現した。
 会長就任後、他の幹部とともに会の名刺を作り、地元の役所、議員らにあいさつ廻りを行った。
 「会でできることがあれば、協力します、とお話しした。一般の人に知ってもらってこその書道。前会長(故小林静洲書会常任顧問)の守った書く文化を、さらに広く発展させたい」
 6月23・24日の両日、「書峰展」を埼玉県秩父市の秩父地場産センターギャラリーで開く。
(福本雅保)