2017年8月25日

[104] 産経国際書会副理事長・白桃会主宰 寺尾桂翠(てらお・けいすい)さん(78)

第34回産経国際書展出品作品「動靜不離於理」(縦120×横120センチ)  第34回産経国際書展で、中国大使館文化部賞を受賞。「古典、少字数、多字数と多種多様の指導を受けましたが、未だままならない。挑戦に挑戦を重ねたい」と気持ちを新たにする。

 書を始めたのは20歳の頃。会社勤めの帰りに立ち寄った地元岡山の書店で、九成宮醴泉銘の法帖が目に留まった。凜とした美しい字形に見ほれ、その場で購入。「こんな字を書いてみたい」と独学で書き始め、会社で同好の士を募って発表会を行うようになった。その後、元岡山大教授の書家、大館桂堂に師事。さらに大館の勧めで、現日会を創設した南不乗の指導を受ける。
 「少字数と墨色に興味を持ち、現日大賞など頂きましたが、南先生から、『賞ドロボウになるなよ』と言われたことが忘れられません」。
 賞を取ることは、その後の行動に責任を持つこと。得た以上のものを貢献していかなければならない。
 産経国際書会では、平成22年から27年まで瀬戸内展の実行委員長を経験。現在は顧問をつとめる。
 「今でも、どういう作品を書こうかと原稿を作っているときが一番楽しい。毎日が挑戦です」
(福本雅保)