2016年1月10日

「魚」へんに「弱」「鰯」の成り立ちは


 今年ことし最初さいしょ漢字かんじは「さかな」です。みなさんのいえのお正月しょうがつ食卓しょくたくにもいろいろな種類しゅるいの魚がならんだのではないのでしょうか。
 上の文字は「魚」という漢字の篆書てんしょです。下の楷書かいしょの4つの「点」はびれを、なかの「田」はうろこを、うえの「ク」はあたまをそれぞれあらわしています。
 魚の種類を表した漢字の多くには魚へんが使われています。「鰯」(いわし)はうろこがはがれやすく、すぐによわってしまうために魚へんに弱いときます。「鮪」(まぐろ)の語源ごげんは、くろいことから「真黒」(まぐろ)。「鮪」という漢字のちを調べると、つくりの「有」には、「ひろ範囲はんいかこむ」という意味いみがあり、鮪が広い範囲を囲むように回遊かいゆうする魚だから、というせつがあります。

(書:産経国際書会常務理事 永田龍石)